editlog - 投稿時の差分 (201201)

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ページ名 読書案内/Battle of Red Mountain (閲覧)
投稿者ID DnGtaD8Z
投稿日 2012-01-04 (Wed) 14:22:30
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CENTER:レッドマウンテンの戦い、そしてトリビュナルの台頭と衰退

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 [以下はヴィベク王の言葉を書き起こしたもので、レッドマウンテンの戦いを取り巻くアシュランダーの伝統やネレバリンの予言をヴィベクに突きつけた反体制派の僧侶マルーア・オマインと、ヴィベクの反体制派の僧侶に対する尋問に加わった匿名の裁判の判事に向けたものだ。]
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 遠い昔のことをはっきり思い出せる人はいない。しかしお前は、レッドマウンテンの戦いを取り巻く出来事、トリビュナルの誕生、そしてネレヴァル再誕の予言について私の言葉で話すよう求めた。私に言えることはこうだ。

 チャイマーが遊牧民族だった先祖から受け継いだ家畜とテントを捨てて最初の大家を築いた時、我々はデイドラを愛し、神として崇めた。だが我らの同朋であるドゥーマーはデイドラをあざけり、我らの儀式を愚行と罵り、理性と論理の神を崇めることを選んだのだった。そのためチャイマーとドゥーマーはいつも激しい戦闘状態にあったが、ノルドがレスデインを侵略するとチャイマーとドゥーマーは自分達の争いを忘れ、ともに侵略者を追い出すために協力した。

 1度ノルドを追い出すと、チャイマーのネレヴァル将軍とドゥーマーのデュマック将軍は互いを敬愛し尊敬するようになり、それぞれの民を和解させることを決めた。その時私はネレヴェルとネレヴァルの女王アルマレクシア、そして彼のお気に入りの指導員ソーサ・シルの助手にすぎず、チャイマーとドゥーマーのこれまでの激しい紛争を考えるとそんな平和が続くかどうか疑問だった。しかし交渉と妥協を重ね、ネレヴァルとデュマックはどうにか不安定な平和を保った。

 だが、ネレヴァルとドゥーマーの双方が友のように信頼するダゴス家の王ダゴス・ウルによって、ドゥーマーの上級技師カグレナクがロルカーンの心臓を発見し、その力の利用法を習得して新たな神とチャイマーの信仰、そして恐ろしい武器を作っているという証拠がもたらされた時、我々はネレヴァルに、ドワーフに戦争をしかけてチャイマーの信仰と安全に対する脅威を滅ぼすよう強く勧めた。ネレヴァルは悩んだ。彼はデュマックの元へ行きダゴス・ウルの言葉は真実か尋ねた。しかしカグレナクは憤慨した。そして、ドゥーマーの問題を判断しようとするなんて何様のつもりなのかと問いただした。

 ネレヴァルはさらに悩み、アズラの神聖な聖堂があるホラマヤンへ巡礼の旅に出た。そしてアズラはダゴス・ウルの言葉は間違いなく真実であると認め、このドゥーマーによる新たな神の創造は何としても阻止しなければならないとした。ネレヴァルが戻って我々に女神の言葉を伝えた時、我々は判断が正しかったと感じて再び戦争をするよう進言した。彼の純真な友への信頼をたしなめ、ネレヴァルにチャイマーの信仰と安全をドゥーマーの不信心で危険な野望から守ることが仕事だと念を押した。

 そしてネレヴァルは最後にヴァーデンフェルへ帰り、交渉と妥協によって再び平和が守られることを願った。しかし今回は友人のネレヴァルとデュマックが激しい言い争いになり、その結果、チャイマーとドゥーマーは戦争へと向かった。

 ドゥーマーはレッドマウンテンの要塞で堅固に守られていたが、ネレヴァルはその狡猾さでデュマック軍のほとんどを外へおびき出して足止めし、その間にネレヴァルとダゴス・ウル、そして少人数の仲間で秘密裏に心臓の間へと進んだ。そこでチャイマー王ネレヴァルはドワーフ王デュマックを見つけたが、双方とも深い傷を負い、魔力を使い果たす結果となった。デュマックが倒れるとともに、ダゴス・ウルらに脅かされたカグレナクが持っていた道具を心臓に向けた。そしてカグレナクと他のドゥーマーらは同時に世界から消えたと、ネレヴァルは言った。その瞬間、すべてのドゥーマーは痕跡もなく消えた。しかしカグレナクの道具は残り、ダゴス・ウルはそれをネレヴァルの元へ届け、こう言った。「カグレナクが自分の民を滅ぼした道具です。これが悪の手に渡らないように、すぐに破壊すべきです」

 だがネレヴァルは、話し合うことを決めた。女王や戦争を見越していた将軍らの助言を2度と無視しないと決めていたからだ。「トリビュナルにどうしたらいいか聞きに行く。彼らは私にはない知恵を持っていた。忠実なるダゴス・ウル、私が戻るまでここにいろ」ネレヴァルは自分が帰るまでダゴス・ウルに道具と心臓の間を守るよう命じた。

 そしてネレヴァルはレッドマウンテンの坂で待っていた我々に、レッドマウンテンの下で起きていることを話した。ネレヴァルはドゥーマーが特別な道具で民を不死にしたこと、ロルカーンの心臓には不思議な力があることを語った。[後でその場に居合わせた他の者から聞いた話だが、ダゴス・ウルはドゥーマーが不死になったのではなく滅びたと思っていた。本当に何が起こったかは誰にも分からない。]

 ネレヴァルの話を聞いた後、彼の求めに応えて提案した。「道具はチャイマーの民の幸福のために保管するべきだ。ドゥーマーが永遠に去ったかなど誰にも分からないが、ただどこか遠い土地に移動しただけであれば、いつか再び我々に危険をもたらすかも知れない。それゆえに、道具を保管して原理を研究すべきだ。それで未来の世代は守られるだろう」

 ネレヴァルは大きな不安を口に出したが、条件を1つ出して助言者の提案を受け入れた。それはドゥーマーのような下劣な意図で道具を決して使わないと、ともにアズラに固く誓うというものだった。我々はすぐに同意し、ネレヴァルの指示に従って固く誓った。

 我々はネレヴァルとともにレッドマウンテンへ戻り、ダゴス・ウルに会った。ダゴス・ウルは道具を渡すのを拒んだ。危険なものであり、我々には触れられないと言う。ダゴス・ウルは様子がどこかおかしく、他の者は信用できず道具は渡せないと主張したため、我々は彼が道具に何かしらの影響を受けたと考えた。今になって思えば、彼は道具の力を密かに知り、どういう訳か自分が道具を持たなければならないと思い込んだのだろう。ネレヴァルと衛兵は力ずくで道具を奪った。ダゴス・ウルとその家来は逃げたが、我々は手に入れた道具を研究と保管のため、ソーサ・シルに渡した。

 何年間かは我々もネレヴァルとともにアズラへの誓いを守ったが、その間、ソーサ・シルは密かに道具を研究し、謎を解明していたに違いない。そしてとうとう彼は新しい平和の構想を掲げて我々の元へ現れた。それは、貴族には正義と名誉を、平民には健康と繁栄を、そしてトリビュナルを不滅の後援者であり案内人にするというものであった。そして我々はこのより良い世界の構想に専念し、レッドマウンテンまで巡礼してカグレナクの道具の力で我々自身を変えた。

 儀式を終えて新しい力を手に入れるや否や、デイドラ王アズラが現れ、誓約を破ったとして我々に呪いをかけた。そしてその力でこう予言した。英雄であり誓約に忠実なネレヴァルが裏切りを罰するため、そしてそのような不敬な知識が2度と神の意志に背かないよう、戻って来ると。しかしソーサ・シルは彼女に言った。

「古い神は残酷で気まぐれで、エルフ族の希望や恐怖から遠い場所にいる。お前の時代は終わった。我々が新しい神になる。人間から生まれた、民に必要な知恵と優しさを持ち合わせた神に。我々に脅しや警告は効かないぞ、気まぐれな霊魂め。我々はお前を恐れなどしない」

 その途端、すべてのチャイマーはダンマーに変容し、肌は青白くなり、目が燃えた。もちろん、その時はそれが我々に起きたことだとしか分からなかったが、アズラはこう言った。「これはお前達自身が招いた結果だ。自分や民の運命を選択したのだ。そしてすべてのダンマーはお前達の運命を永久に共有する。お前達は自分達を神だと思っているが、目も見えず、闇しか残っていない。」そしてアズラは我々を置き去りにした。闇の中で我々は皆恐れていたが、平静を装い、我々の夢である新しい国を築くためにレッドマウンテンをあとにした。

 我々が築いた新しい世界は壮麗さと寛容さを併せ持ち、ダンマーの崇拝は熱心で忠実だった。ダンマーは最初、自分たちの新しい顔を恐れたが、ソーサ・シルが民にこう言った。これは呪いではなく恵みであり、本質の変化の印、新しいエルフ族として幸せになる特別な恩恵の証だと。もはや亡霊や霊魂の前に怯える蛮族ではなく、定命の友や後援者、三つの顔を持つトリビュナルとも直接話す教養のあるエルフ族であると。我々はソーサ・シルの演説と構想に刺激を受け、元気を取り戻した。そして時間をかけて公正で立派な社会の慣習と制度を築き、レスデインの土地は他の蛮族が知らない何千年もの平和と公平さ、そして繁栄を知った。

 しかし、レッドマウンテンの下ではダゴス・ウルが生きていた。そして我々の勇敢な世界の光がかつてないほど輝く中、レッドマウンテンの下では闇が集まっていた。ソーサ・シルがカグレナクの道具を使い、その闇が輝く光の親族であるとロルカーンの心臓から聞きだしていた。我々は闇が大きくなる闇と戦い、抑え込むための壁を作った。しかし滅ぼすことはできなかった。それは闇の源が我々自身の神の創造性の源と同じだったからだ。

 昨今のモロウウィンドは西帝国の従属地域に落ち着いている。聖堂の栄光が薄れ、レッドマウンテンから闇が流れ出すにつれ、アズラの予言した英雄の帰還が頭をよぎる。我々は待っている。目が見えず、闇と影に包まれ、輝く夢も失い、己の愚かさを恥じ、己の判断に恐怖し、解放の時が来ることを願って。ネレバリンの予言を果たそうとする外部の者がかつての英雄ネレヴァルの再誕なのか、それとも帝国の駒なのか、またはアズラの手先か、単なる運命のいたずらなのかは分からない。だが我々は聖堂の教義に忠実であることをお勧めする。ヒエログラファとアポグラファを分ける制限に従い、公に話してはいけないことは話さないことだ。カノンとアーチカノンにした服従の誓いに従い、忠実な僧侶として振舞えば、すべてが許されるだろう。私を否定するといい。そうすれば神に刃向うとはどういうことか分かるだろう。

 -- ヴィベク


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