MOD/Tool/WryeBash のバックアップ(No.17)

Note/MOD/Tool/WryeBash?
Top/MOD/Tool/WryeBash

目次 Edit

ツール概要 Edit

フォーラム情報:[RELZ] Wrye Bash※進行速度が速いので最新とは限りません!

名称的にもプログラムコンセプト的にもMorrowind時代にあったWrye Mashから続くMod / セーブデータなどの管理ツールです。Wrye はWrye Mash / Wrye Bashの原開発者のWrye氏から。Wrye氏自身は現在はプロジェクトから離れています。
現在のWrye BashはOblivion / Skyrimで同じプログラムを用い、Skyrim用に起動された場合はウィンドウのタイトルバーに Wrye Smash と表示されます。
また、2012年4月25日現在、Nehrim(Oblivionのゲームエンジンを使った新規ゲームMod)、Fallout 3 / New Vegasにも完全対応を目指す Wrye Bash 3k が開発中です*1

Oblivionでの事例を挙げると、日本語化Modは名詞データを日本語に変更しているので後から読み込むModによって英語に書き戻される事はよくあることだったのですが、Wrye BashのBashedPatchでこうした現象を回避可能でした。

それ以外にもセーブデータ管理(プロファイル管理も可能)、スクリーンショット閲覧/管理、Modのインストール管理(BAIN)などが可能です。

ファイルの入手 Edit

Skyrim Nexusにはたいてい4つのファイルが置かれています。その中から1〜2個のファイルをインストール時に使用することになります。手っ取り早くインストールしたい場合はインストーラ版を使って導入しましょう。

Wrye Python 06 準拠の場合は以下のプログラムを導入することになります。

インストール(手動) Edit

  1. スタンドアロン版
    1. Microsoft Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)をダウンロードしてインストールする(すでに導入済の場合は不要)
    2. Wrye Bashのアーカイブを展開し、Skyrimフォルダにコピーする(MopyフォルダがTESV.exeのあるフォルダにあれば良い)
  2. Python版
    1. Wrye Pythonを使うなり、個別導入をするなりでPython実行環境を導入する
    2. Wrye Bashのアーカイブを展開し、Skyrimフォルダにコピーする(MopyフォルダがTESV.exeのあるフォルダにあれば良い)

起動 Edit

  1. Python版インストーラ版でPython版を選んだ場合
    Mopyフォルダの Wrye Bash Launcher.pyw が実行ファイルになります。
  2. スタンドアロン版
    Mopyフォルダの Wrye Bash.exe が実行ファイルです。

起動しない場合 Edit

  1. スタートメニューのアクセサリからコマンドプロンプトを起動する
  2. Mopyフォルダに移動する(例:「H:」→「cd \Games\Skyrim\Mopy」)
  3. 「c:\python24\python.exe bash.py 0」と入力する。(注意:Wrye Bash v294.2ではWrye Bash Launcher.pyw。見ればわかると思いますが、インストールしているPythonのバージョンが27のように新しくなっている場合は、python24をpython27のように変更してみてください)
  4. エラー表示が出るので、その部分のソースを修正します。バージョン違いのエラーなら即直ります。
  1. Skyrim.ini,SkyrimPrefs.ini内のコメントを含む日本語項目を削除(V302.1Standalone版でこの現象を確認)
  2. 上記で改善しない場合、Skyrim.ini,SkyrimPrefs.iniの初期化を行う。初期化は、Skyrim.ini,SkyrimPrefs.iniを一旦削除してからSkyrimを起動することで行えます。これで改善した場合、これらの変更内容をWryeBash側で読み込めない未知の問題があることになります。

Windows 7 の場合 Edit

この説明はWrye bash v294.2を前提としています。
64ビット版Windows 7にOblivionを以下のフォルダのようにインストールしている場合、

C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\skyrim
  1. エクスプローラでC:\Program Files (x86)(64ビット版の場合)またはC:\Program Files(32ビット版の場合)を開き、commonsフォルダを右クリックしてプロパティを開く。
    セキュリティタブをクリックし、上部のリストに自分のアカウントがあるか確認する。なければ[編集]ボタンを押し、[追加]ボタンを押し、「選択するオブジェクトを入力してください」のテキストエリアに自分のアカウント名を入力してOKを押し、自分のアカウントを追加する。
  2. リストから自分のアカウント名を選択し、「フルコントロール」の「許可」チェックボックスにチェックを入れる。「許可」より「拒否」が優先されるので、「拒否」にチェックボックスが入っていた場合、それらを除去する。OKを押して、閉じる。

これでC:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\commonフォルダにSkyrim Modsというフォルダが作成され、Wrye bashが起動します。

Wrye BashとBOSSの関係 Edit

Wrye Bashは、BOSSの masterlist に提案されたタグ情報を自動で選択する機能を有しています。
これは、Wrye Bashのメイン機能でもある BashedPatch 作成時にとても参考になり、役立ちます。
(※とはいえ過信は禁物!!)
 
しかしながらBOSSの実行フォルダが変更される関係で、若干対応関係に Version 違いがありますので注意してください。

Wrye BashとBOSSの対応表
Wrye BashVer.BOSS Verコメント
v287〜 v1.51 まで※ Wrye Bash廃盤
v291.1〜 v1.65 まで
v292〜 v1.70 まで
v293〜 v1.80 まで
v294.2
v295〜 v1.91 まで
v297 〜 v299〜 v2.01 まで
v300v2.1.0※ Wrye Bash開発版(2012/08時点)

使い方 Edit

よく使うであろう機能について紹介していきます。

共通 Edit

アプリケーションランチャー Edit

Wrye Bashのウィンドウ最下段(いわゆるステータスバー)左側はゲーム起動をはじめとする関連アプリケーションランチャーのエリアです。ドラッグ&ドロップでチェックボックスやアプリケーションアイコンは順序を変更できます。

SKSEチェックボックス (緑チェックボックス)
チェックを入れておく(緑チェックボックスOn)とskse_loader経由でゲームやCKを起動できるようになります。Creation KitでSKSEを必要としないMODを作成するとき*2以外、SKSEが必要なMODをインストールしているならチェックを入れたままにしておきましょう。
Auto-Quitチェックボックス (赤チェックボックス)
チェックを入れておく(赤チェックボックスOn)とゲーム起動時、自動的にWrye Bashが終了します。Creation Kitを起動する場合はチェックを入れていても終了しません。
ゲーム起動アイコン (Skyrimロゴ)
Skyrimを起動します。上記のSKSEチェックボックスにチェックを入れている場合、アイコンの上にマウスを置くと「Launch Skyrim + SKSEバージョン」、入れていない場合は「Launch Skyrim」というツールチップがポップアップします。

他にもMopy\bash.ini(なければbash_default.iniをコピーして作る)で設定するとSkyrim向けの便利ツール(2012年7月現在だとアイコンまで整備されているのはBOSSだけですが)から果てはGIMPやPhotoshop、3dsMaxなどのグラフィックス、3Dツールまで起動できるようになります。

Installersタブ Edit

Installersタブは、BAINことBash InstallersというWrye Bashが提供するMod管理ツールです。
イメージとしてはNexus Mod Manager(NMM)と同等の働きをするものと思って貰って構いません。
見方によっては、ある部分においてNMMよりも使いやすいこともあります。
 
詳細はMOD/Tool/BAINを参照してください。

Modsタブ Edit

導入済Modの管理やBashed Patchの作成などを行うことができます。

ロードオーダーの手動変更 Edit

BOSSを使えば基本的には問題のないロードオーダーの変更を自動で行なうことができます(導入済であればアプリケーションランチャーエリアにBOSSの起動アイコンがあります)。
BOSSに未対応のModがあったり手動で変更したい場合は以下の方法でロードオーダーの変更を行なうこともできます。

シンボル及び配色について Edit

Wrye Bashはプラグインの状態についてカラー・コードやその他の書式の効果を使用して表示しています。

チェックボックスの状態

種類意味
緑アイコンチェックありアクティブなプラグイン
緑アイコン十字アクティブではないがアクティブなBashed Patchにマージされているプラグイン
緑アイコン黒点アクティブではないがアクティブなBashed Patchにインポートされているプラグイン
緑アイコンチェックなしアクティブではないプラグイン

チェックボックスの色

意味
青アイコン指定されているプラグインのマスターのリストの順序がロードオーダーと完全に一致している
緑アイコン指定されているプラグインのマスターのリストの順序が一致しているがロードオーダーとしては違っている(複数あるマスターの間に無関係なプラグインがロードオーダーに含まれる場合など)。問題にしなくても良い
橙アイコン指定されているプラグインのマスターのリストの順序がロードオーダーと一致していない。通常ゲーム内で自動的に処理されるがゲーム内では意図されない結果となっているかもしれない
赤アイコン指定されているプラグインのマスターのリスト内のいくつかが存在しない

テキストまたは背景の色

書体意味
青文字.esmファイル、またはEsmifyによって.esmファイルと偽装されている.espファイル
緑文字マージ可能なプラグイン
紫文字NoMergeタグなどによって「マージされるべきではない」とされたプラグイン
桃背景(Oblivionのみ) 他のプラグインの中にタイムスタンプがまったく同じであるプラグインが存在する。双方アクティブにしなければ問題はない
赤背景Deactivateタグなどによってディアクティベートされるべきなのにアクティブのままになっているプラグイン。(以下Oblivionのみ) あるいは自身がアクティブなプラグインであり、他のプラグインの中にタイムスタンプがまったく同じであるアクティブなプラグインが存在する
灰背景Ghost化(後述)したプラグイン
斜体Bashed Patchによるインポート及びDeactivateタグなどによって非アクティブ化を推奨されるプラグイン

Add Master Edit

espファイルを親とするModをCreation Kit (CK) で編集すると保存時に親子関係がなくなってしまいます。このままでは正常に起動できなくなる可能性が高いので編集したModを右クリックしてAdd Masterを選択し、親となるespファイルを指定しましょう。

Auto-Ghost Edit

OblivionのプログラムはDataフォルダ内にあるesp/esmファイルが有効・無効を問わず300〜350を越えると動作が不安定になるバグがあります。見出しを右クリックして出るコンテキストメニュー内にあるAuto-Ghostにチェックを入れると無効化されている(=アクティブではない)プラグインファイルの名前に拡張子.ghostを追加し、Oblivionのプログラムから認識されないようにして問題の解決を図ることができます。

Auto-Ghostで「見えなくなっている」プラグインファイルはWrye BashとBOSS以外の大半のOblivion/Skyrim関連のツールからも見えなくなります。関連ツールを使う場合は必要に応じてAuto-Ghostのチェックを外して対応しましょう。

便利なコンテキストメニューコマンド Edit

プラグインなどを選択して右クリックするとコマンドが出てきますがその中でも有用そうなものを以下に示します。

コラムヘッダーのコンテキストメニュー
コマンド概要
LoadAllすべてのプラグインをアクティブにする
Noneすべてのプラグインを非アクティブにする
Save List...現在のModリストの状態を名前を付けて保存
[Load List]Save List...で保存したModリストの状態に復元する。Modリストに存在しないプラグインは非アクティブにする
ColumnsModの情報の表示/非表示を以下のカテゴリについて選択することができる。ロードオーダー、レーティング、グループ、導入元パッケージ、日付、ファイルサイズ、作者、CRC、プラグインの状態
FileNew Bashed Patch...新しいBashed Patchプラグインを作る。複数個作る場合、0からの連番となる(Bashed Patch, 0.esp、Bashed Patch, 1.esp…)
List Mods現在のロードオーダーを表示するとともにクリップボードに記憶する。コマンド選択時にキーボードの「c」キーを押していると各プラグインのCRCも表示される
List Bash Tags現在の導入プラグインの中でBashタグがついているもの、及びそれぞれのBashタグを表示するとともにクリップボードに記憶する
Auto-Ghost上記参照。Skyrimでも同じバグが起こるかどうかは定かではない

※ コラムヘッダーとはModリスト上部の「File」や「Load Order」などが表示されているエリアです。

プラグインのコンテキストメニュー
コマンド概要
List Masters...選択しているプラグインのマスターファイルの一覧を表示するともにクリップボードに記憶する
List Bash Tags選択しているプラグインのBashタグを表示するともにクリップボードに記憶する
Create BOSS Report...プラグインファイル名とそのCRC、ITM (Identical To Master record)、UDR (Undeleted and Disabled Reference)を表示し、クリップボードに記憶する。公式フォーラム内のBOSSスレッドへの報告に便利
Copy Mod Info...選択しているプラグインの情報を表示するともにクリップボードに記憶する。表示される情報はヘッダーコンテキストメニューのColumnsで表示すると指定したものに限る
Don't GhostAuto-Ghostを有効にしていても非アクティブ時にGhost化させないようにする
GhostAuto-Ghostを無効にしていても非アクティブ時にGhost化するようにする
Rebuild Patch...Bashed Patchをリビルドする。詳細は後述
Add Master...選択したプラグインのマスターリストにマスターファイルとなるプラグインを選択して追加する。上記参照
Esmify/Espify Self選択した.espファイルに編集不可能のフラグを立てて.esmファイルのように振る舞わせる、または元の.espファイルの扱いに戻す。編集不可のフラグを立てている間はこのプラグインを親とするプラグインの編集を行なっても「Add Master」をする必要がない。【警告】ゲーム開始時には元の状態に戻しておくこと。その場では問題がなくても最終的にセーブデータの破損の可能性がある
Esmify/Espify Master選択したプラグインの「マスターファイルとなる.espファイル」に編集不可のフラグを立てて.esmファイルのように振る舞わせる、または元の.espファイルの扱いに戻す

Savesタブ Edit

セーブデータの管理やセーブデータに対する変更や調整、バグFixなどを行うことができます。
左側にはセーブデータの一覧が、右側には選択したセーブデータの詳細情報が表示されます。

項目概要
ファイル名選択されているセーブデータのファイル名。この欄を編集して下の方にあるSaveボタンを押すと名前を変更可能
プレイヤー情報プレイヤーキャラ名、レベル、ゲーム内の経過日数(Skyrimでは現在のところプレイ時間を日数にした値になる)、プレイ時間、セーブした場所を表示する
フラグSKSEのCosaveファイル(*.SKSE)がある場合はプレイヤーキャラ名の段の右端に「O」が表示される
スクリーンショットセーブ時に生成され、埋め込まれたスクリーンショットを表示する
マスターリストセーブデータが依存しているプラグインとそのロードオーダー。マスターリストと現在のModリストとの間に差がある場合、リスト内のプラグインを差し替えたり(プラグインを右クリックしてChange to...)無効化する(プラグインを右クリックしてDisable)こともできる。ただし、操作後に正常にロードできるかどうかは操作したプラグインの依存関係による
メモセーブデータに対してWrye Bash側でメモをつけておくことができる

セーブデータ一覧におけるシンボル及び配色 Edit

意味
紫アイコン良好。マスターリストと現在のロードオーダーとが完全に同期している
青アイコン良好。マスターリストと現在のロードオーダーと互換しているが、マスターリストに含まれないアクティブなプラグインが存在している
緑アイコン現在のロードオーダーとは同期していない。「Load Masters」を実行することで同期が可能
橙アイコンいくつかのプラグインのロードオーダーがマスターリストのオーダーとは異なっている状態
赤アイコンマスターリストにあるべきプラグインが存在しない

プロファイル機能を使う Edit

セーブデータ管理(Saves)タブを選択した状態で見出し(Files、Modified、などが並ぶ行)を右クリック→Profile→Edit Profiles..で「セーブプロファイルウィンドウ」が開きます。すでにプロファイルを作成している場合はEditの下にプロファイル名が並んでいるので選択することでプロファイルを変更できます。

セーブプロファイルウィンドウではAddで新規プロファイルの作成、Renameでプロファイル名の変更、Removeでプロファイルの削除をします。プロファイルを作成するとセーブデータフォルダ内にプロファイル名のサブフォルダが作成され、以後ゲームのセーブは選択されたプロファイルのフォルダ(「〜\My document\My Games\Skyrim\Saves\プロファイル名\」)に行われます。これは再びプロファイルを変更するまで変わることはありません。

Modのアクティブ/非アクティブ情報はプロファイルごとに保存され、プロファイルを変更した場合インストール済のModのアクティブ/非アクティブ情報はそのプロファイルの最新セーブデータに沿って復元されます。当然インストールされていないModに関しては何も起こりませんので改めてインストールする必要があります。Mod環境が大きく変わる場合はBashed Patchのリビルドを行う必要もあるでしょう。

複数のMod構成がそれなりに異なるプロファイルを高い頻度で切り替える場合はBashed Patchを環境ごとに用意するのもいいかもしれません(後述)。

便利なコンテキストメニューコマンド Edit

コラムヘッダーのコンテキストメニュー
コマンド概要
ProfileEdit Profiles...セーブプロファイルウィンドウを開き、プロファイルの追加、名前の変更、削除を行なう
[プロファイル名]Edit Profiles...の下に作成したプロファイルが配置されているので選択するとそのプロフィルに切り替える
Openセーブデータの保存場所をエクスプローラで開く。
セーブデータファイルのコンテキストメニュー
コマンド概要
Load MastersModリスト内のプラグインのアクティブ状況をセーブデータのマスターリストに合わせる。マスターリストにないプラグインはすべて非アクティブになる
List Masters...セーブデータのマスターリストのロードオーダーを表示するとともにクリップボードに記憶する。検知した場合はプラグインのバージョン情報も表示する

Screenshotsタブ Edit

skyrim.iniで指定したスクリーンショット保存フォルダ内にある画像を閲覧したり、画像フォーマット形式の変換(BMP, JPG, PNG, TIFF)や画像ファイルの管理を行なうことができます。

コンテキストメニューコマンド Edit

コラムヘッダーのコンテキストメニュー
コマンド概要
Openスクリーンショット保存フォルダをエクスプローラで開く
Next Shot次に撮影するスクリーンショットの名前やナンバーをセットする。この変更はskyrim.iniに反映される
JPEG QualityJPEG変換する際の画像品質を設定する。デフォルト95、最大100(無圧縮)で数字が高いほど高品質画像になる
スクリーンショットファイルのコンテキストメニュー
コマンド概要
OpenWindowsで指定された画像ビューアで画像を表示する
Rename画像ファイル名を変更する。F2キーでも同じ操作ができる。複数ファイルを選択して実行した場合、変更したファイル名の末尾に1,2…と連番が付加される
Delete選択したファイルを削除する
Convert選択している画像ファイルをJPEG, PNG, BMP, TIFFのいずれかの形式に変換する。変換後と完全に一致する名前のファイルがすでにある場合、処理は行なわれない。複製せずに直接変換してしまうので注意

Bashed Patchの作成 Edit

Bashed Patchは変更可能なカスタムメイドのパッチであり、前述の通りWrye Bashの機能の中でも特に特徴的な物です。様々な要素からパッチは構成され、ユーザーが自環境に合わせて要素を選択し、パッチを作成することができます。うまく作成すれば各Modの競合する部分を絶妙に組み合わせたりできるのですが、自分のMod環境を把握しなければ望むようなパッチを作れない、ということでいささか扱いの難しい機能ではあります。

Bashed Patchに使用されるファイル、Bashed Patch, 0.espはModsタブ直下のFileのあたりを右クリックし、File > New Bashed Patchと選ぶと作成されます(複数回実行した場合、ファイル名に含まれる数字は1ずつ増えます)。手動で行なう場合はMopy\templatesフォルダ内にあるBashed Patch, Skyrim.espをSkyrim.esmのあるフォルダ(Dataフォルダ)にコピーし、Bashed Patch, 0.espにリネームします。

必要であれば複数のBashed Patchを用意し、切り替えることもできます(Bashed Patch, 1.esp のように連番で作成すること。BOSSは9番までは認識します)。ただし、複数のBashed Patchを同時には有効にしないようにしてください

主な調整機能 Edit

変更したい項目を右クリックすることで設定を変更できます。候補内で"[]"で囲まれている値がデフォルトの値です。
望ましい候補がない場合はCustom(カスタム)を選ぶことで直接設定できます。
ただし、文字列変数に対して日本語を指定した場合ゲーム内では文字コードの影響で文字化けするかもしれません。
また、Bashed Patchで設定できる以下の項目がSkyrim上で完全に機能するかは不明です。

Tweak Assorted Edit

v304以降で追加されます。

All Armor Playable
ゲーム内に登場するすべての防具にPlayableのチェックをつけます。
これにより通常ではプレイヤーが装備できない防具も入手・装備が可能になります。
ただし、特定アクター専用装備の場合、性差は考慮されていない可能性(女性が着ても体型が男性っぽくなるなど)には注意が必要です。
All Clothing Playable
ゲーム内に登場するすべての衣類にPlayableのチェックをつけます。
これにより通常ではプレイヤーが装備できない衣類も入手・装備が可能になります。
ただし、特定アクター専用装備の場合、性差は考慮されていない可能性には注意が必要です。
Playable Arrows
ゲーム内に登場するすべての矢にPlayableのチェックをつけます。
これにより通常ではプレイヤーが装備できない矢も装備が可能になります。入手はqasmokeなどで。

Tweak Settings Edit

Actors Strength Encumbrance Multifier
前作Oblivionでは所持限界重量を求めるためにStrengthに掛ける係数を定義します。
デフォルトは5で、Strengthの5倍が所持限界重量になります。
Skyrimでは影響があるかどうか不明。
※Skyrim.esm内にある設定 fActorStrengthEncumbranceMult が変更される。
AI: Max Active Actors
同時にAIのプロセスを走らせることのできる人数を変更します。
デフォルトは20で、Combat: Max Actors以上でなければなりません。
数値を上げすぎるとCPUへの負荷が増しゲーム動作が不安定になる可能性があります。
※Skyrim.esm内にある設定 iAINumberActorsComplexScene が変更される。
Arrow: Recovery from Actor
アクターから回収できる矢の回収率を設定します。
デフォルトは33(%)。
※Skyrim.esm内にある設定 iArrowInventoryChance が変更される。
Arrow: Speed
弓矢の速度を調整します。
デフォルト速度は1500。
※Skyrim.esm内にある設定 fArrowSpeedMult が変更される。
Cell Respawn Time
リスポーン期間を設定します。
デフォルトは10(日)。
※Skyrim.esm内にある設定 iHoursToRespawnCell が変更される。
Cell Respawn Time (Cleared)
マップに「クリアしました」と表示されるポイントのリスポーン期間を設定します。
デフォルトは30(日)。
※Skyrim.esm内にある設定 iHoursToRespawnCellCleared が変更される。
Combat: Alchemy
戦闘中、錬金術を行えるか設定できます。
デフォルトは不可。
※Skyrim.esm内にある設定 iAllowAlchemyDuringCombat が変更される。
Combat: Max Actors
戦闘処理のプロセスを走らせる最大の人数を変更します。
デフォルトは20で、数値を上げすぎるとCPUへの負荷が増しゲーム動作が不安定になる可能性があります。
※Skyrim.esm内にある設定 iNumberActorsInCombatPlayer が変更される。
Combat: Recharge Weapons
戦闘中、武器をリチャージできるようにするかを設定します。
デフォルトは可能。
※Skyrim.esm内にある設定 iAllowRechargeDuringCombat が変更される。
Companions: Max Number
同時に連れ歩けるフォロワーの最大数を変更します。
デフォルトは6。
数値を上げすぎるとCPUへの負荷が増しゲーム動作が不安定になる可能性があります。
※Skyrim.esm内にある設定 iNumberActorsAllowedToFollowPlayer が変更される。
Crime Alarm Distance
犯罪警告の範囲(ガードが駆けつける)を設定します。
デフォルトは4000(フィート?)。
※Skyrim.esm内にある設定 iCrimeAlarmRecDistance が変更される。
Crime: Assault Fine
「良い」NPCを攻撃した時の懸賞金額を設定します。
デフォルトは40(ゴールド)。
※Skyrim.esm内にある設定 iCrimeGoldAttack が変更される。
Crime: Days in Prison
牢屋に入った際の刑期の調整を行ないます。
デフォルトは100。
刑期は「懸賞金/Crime: Days in Prisonの設定値」で計算されます。
※Skyrim.esm内にある設定 iCrimeDaysInPrisonMod が変更される。
Crime: Escape Jail
脱獄時に加算される懸賞金を変更します。
デフォルトは100(ゴールド)。
※Skyrim.esm内にある設定 iCrimeGoldEscape が変更される。
Crime: Murder Bounty
「良い」NPCを殺したときの懸賞金額を設定します。
デフォルトは1000(ゴールド)。
※Skyrim.esm内にある設定 iCrimeGoldMurder が変更される。
Crime: Pickpockting Fine
スリの懸賞金額を設定します。
デフォルトは25(ゴールド)。
※Skyrim.esm内にある設定 iCrimeGoldPickpocket が変更される。
Crime: Trepassing Fine
不法侵入の懸賞金額を設定します。
デフォルトは5(ゴールド)。
※Skyrim.esm内にある設定 iCrimeGoldTrespass が変更される。
Max Resistance
病気や魔法への耐性の上限値を設定します。
デフォルトは85(%)。
※Skyrim.esm内にある設定 fPlayerMaxResistance が変更される。
Max Summons
プレイヤーが召喚できる生き物の最大値を設定します。
ConjurationのPerk「Twin Souls」は考慮されません。
デフォルトは1。
※Skyrim.esm内にある設定 iMaxSummonedCreatures が変更される。
Max Training
プレイヤーがレベルごとに訓練できる回数を設定します。
デフォルトは5。
※Skyrim.esm内にある設定 iTrainingNumAllowedPerLevel が変更される。
Msg: Soul Captured!
Soultrap (魂縛)によって魂をとらえた際、画面左上に表示されるメッセージを設定します。
デフォルトは「表示しない」
※Skyrim.esm内にある設定 sSoulCaptured が変更される。
Timescale
ゲーム内の時間進行のスピードを変更します。0以下にしてはいけません。
また極端に大きな数字にしてしまうとアクターAIの正常動作が望めません。
デフォルトは20(ゲーム内は現実時間の20倍の速さで時間が経過する)。
※Skyrim.esm内にあるグローバル設定 TimeScale が変更される。

Bash タグについて Edit

各Modに適切なタグを付けてBashed Patchを作る事により、競合するModを上手く使えたり、複数のModをまとめたりする事ができます。
タグを付けるには、各esmファイルやespファイルを選択。右下にあるBash Tagsを右クリックし、タグを選択します。

Deactivate
ディアクティベートされるべきMod。基本的にBashed PatchにマージやインポートされないModにはこのタグは付かない。
Delev
Leveled Listから以下の種類のエントリを削除する: Leveled Actor、Leveled Item、Leveled Spell
Filter
そのModの動作にはマスターファイルがすべて存在しなくてもよいことを示す。マージによるフィルタリングのために使う(前作OblivionのMod、「Item Interchange」が代表的な使用例になる)。
Names
名詞を変更するMod。v304時点ではACTI、AMMO、APPA、ARMO、MISCの名詞のみに対応
NoMerge
技術的にマージ可能だが、意図的にマージしないMod。
Relev
Leveled Listの以下の種類のエントリを均一化し、再構築する: Leveled Actor、Leveled Item、Leveled Spell
Stats
アイテムのステータスを変更するMod。v304時点ではAMMO、APPA、ARMO、MISCのアイテムのみに対応

※以上はWrye Bash Advanced Readme内のBash Tagsの項に記載されているタグの説明を意訳したものです。
詳しくは、Mopy/Docsフォルダ内のWrye Bash Advanced Readme.html(英文)か、下記リンク先(英文)をご覧ください。
Wrye Bash Advanced Readme (Sourceforge SVN。最新リビジョンへのリンク)
UESPWiki Tagging Race Mods (Oblivion向けの情報です)

具体的な使用例 Edit

プラグインのマージ Edit

特定の種類のデータレコードだけを含むModは、Bashed Patchにデータレコードをインポートすることができます。そうした場合インポート元のModを非アクティブにでき、結果として導入可能なMod数を増やすことができます。

Bashed Patchの作成画面にある「Merge Patches」という項目のチェックボックスにチェックを入れておくと右側に表示される「マージ可能なMod一覧」に表示されているModの中でチェックを入れたものがパッチ作成時にBashed Patchに取り込まれます。一覧に表示されているModは基本的にすべてチェックを入れておくべきです。
マージ可能なModが存在しておりかつ該当するModがアクティブになっている場合、パッチ作成時に該当するModを非アクティブにしていいか確認されます。

パッチ作成後、インポート元のModはデータフォルダから削除せず非アクティブのまま置いてください。次回のパッチ作成時にも使用するため削除してしまうと同じ内容のパッチの作成ができません。

Leveled Listの統合 Edit

Leveled Listはゲーム内においてプレイヤーキャラのレベルに応じて出現するアイテムやアクター(NPCや怪物)を変更するリストです。アクターを追加するModをはじめ、新規アイテムを一般の商店などで流通させるようなModではLeveled Listの編集は避けて通ることができません。しかし、SkyrimのMod読み込みの仕様上Leveled Listの変更部分で重複した場合は最後に読み込まれたModの変更分しか有効になりません。

Bashed Patchの作成画面で左欄のLevelded Listsの項目にチェックを入れてPatchを作成すると、現在ActiveになっているMODを走査して自動でLeveled Listを統合してくれます。編集したLeveled ListからVanillaの項目の追加/削除を行なう場合、上記Bash TagのDelevRelevを付加します*3
Relev,Delevタグの付いたMODはBashed Patch作成画面で、Leveled Listの右欄でAutomaticにチェックが入っていると一覧表示されます。

はじめのうちは自作のModなどでない限りはBOSSによるタグ付けに従ってWrye Bashが自動的に選択したものに任せておき、慣れてきたらAutomaticを切って統合したくないものを取り除いていくと良いでしょう。

外部リンク Edit

日本語化 Edit

有志によって作成された Wrye Bash 295.5用のローカライズファイルが存在します。

仕様上翻訳できない部分もあるとのことですが(同梱のReadme参照のこと)、通常の利用には全く問題ないと思われます。使用方法はReadmeにも書かれていますが、

  1. Wrye Bash を終了する
  2. 同梱されているJapanese.txtを「Oblivion\Mopy\bash\l10n」にコピーする
    ※bash.iniで別の場所にWrye Bashをインストールしている場合、「インストールしているパス\Mopy\bash\l10n」に読み替えてください
  3. Wrye Bashを起動する

これで各種メッセージが日本語化され、コマンド名やBashed Patch構築画面の説明やマウスオーバー時の機能解説が日本語化されます。

過去の不具合 Edit

Unicode エラーと警告対策 Edit

Wrye Bash 295.2でUnicodeエラーまたは警告が表示された場合、Wrye Bash のダウンロードサイトOPTIONAL FILES から Wrye Python 05 をダウンロードしてインストールしてください。これはWrye BashのPython版にのみ有効です。

以下はその他のやり方による対応策であり、Wrye Python 05 が登場する前に起きたときの対応策例です。

Wrye Bash 295.2にアップデートするとBAINのインストール優先度情報がリセットされてしまう Edit

Wrye Bash 295.1よりも古いバージョンからインストーラーを使って295.2にアップデートすると、

C:\Program Files (x86)\Bethesda Softworks\Oblivion Mods\Bash Installers\Bash

にある以下のファイルが上書きされてしまいます(拡張子bakはdatを上書きする直前にバックアップされるファイル)。

もしこの症状が発生した場合は、MODを再度管理し直すか、Wrye Bashを295.2をアンインストールして295.0にダウングレードすれば解決します。

注意 : このダウングレードはこれから新規にBAINでMODを管理する人や、BAINで管理しているMODが少ない人は無理に実行する必要はありません。BAINで管理している、ファイル競合が激しいMODが膨大にある人向けです

OSがWindows Vista/7でもし、Installers.datとConberters.datファイルのバックアップを取るのを忘れた場合、OSの復元機能を使ってファイルを復元できます。

Windows 7 の場合 Edit

この説明はWrye bash v294.2を前提としています。
64ビット版Windows 7にOblivionを以下のフォルダのようにインストールしている場合、

C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\skyrim
  1. エクスプローラでC:\Program Files (x86)(64ビット版の場合)またはC:\Program Files(32ビット版の場合)を開き、commonsフォルダを右クリックしてプロパティを開く。
    セキュリティタブをクリックし、上部のリストに自分のアカウントがあるか確認する。なければ[編集]ボタンを押し、[追加]ボタンを押し、「選択するオブジェクトを入力してください」のテキストエリアに自分のアカウント名を入力してOKを押し、自分のアカウントを追加する。
  2. リストから自分のアカウント名を選択し、「フルコントロール」の「許可」チェックボックスにチェックを入れる。「許可」より「拒否」が優先されるので、「拒否」にチェックボックスが入っていた場合、それらを除去する。OKを押して、閉じる。

これでC:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\commonフォルダにSkyrim Modsというフォルダが作成され、Wrye bashが起動します。


*1 Falloutシリーズは現在はWrye Bashプロジェクト外の産物である、Wrye Flash (NV)でサポートされています。本家へのフィードバックもされています。
*2 SKSE関数をうっかり使わないようにという転ばぬ先の杖
*3 Leveled Listを変更するModの多くにはあらかじめ付いていることが多い

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